!!注意!!
本件の手順を行う際は、自己責任でお願いします。
本件の手順を行ったことで、トラブルなど致命的な事が発生した場合、
また、損害を被った場合でも、私は責任を負わないものとします。

【概要】
本来、PC-9801(MS-DOS)から「共有用PCの共有フォルダ」に接続する図として、
下図のようになります。
接続図2
この方法を行うには「Windows NT Server 4.0のディスク1」に収録されている
PC-98x1用LAN Manager ClientおよびPC-98x1に接続しているLANボードの
ドライバーディスクが(LAN Managerに対応したドライバ)必要となります。
※PC-98x1用LAN Manager Clientは、日本語版しか収録されていないかもしれません。
※OEM版のインストーラに収録されているかは不明です。

ちなみに、共有用PCがWindows10 1909では、PC98x1から共有フォルダの読込みは
できても、書込みができませんでした。
なので、私の場合は下図のようにしています。
接続図3


【共有用PCの設定(共有フォルダ作成と接続ユーザアカウント作成)】

 共有フォルダ用に2GBまでのディスクパーティションを切った方が
 いいかもしれません。
 (DOSは2GBまでしか認識しないため、使用容量が2GBを超えると予期せぬ動作を
  する可能性があります)

  1. Vista, 7の場合は、ローカルセキュリティポリシーを開き、「ローカルポリシー→
    セキュリティオプション」の「ネットワークセキュリティ:次回のパスワード変更時に
    LAN Managerのハッシュ値を保存しない」を無効に変更してください。

  2. 共有フォルダ接続用のユーザーアカウントを作成します。
    (パスワードも設定してください)

  3. VIsta, 7の場合は、1.で変更したポリシーを有効に変更してください。

  4. 共有フォルダを作成してください。
    作成した共有フォルダの接続権限およびセキュリティの設定を、2.で作成した
    ユーザーアカウントで読み書きできるように設定してください。
    (フルコントロールに設定してください)
【PC-98x1の設定準備】

 WindowsPCのCD(DVD)ドライブに「Windows NT Server 4.0のディスク1」を入れて、
 「\CLIENTS\LANMAN\DOS_NEC\DISKS」フォルダ内の「DISK1~3」を
 フロッピーディスクまたはMOにコピーしてください。
 ※1つのフォルダにつき98フォーマットのフロッピーディスク1枚分
 ntlanman

【PC-98x1の設定(LAN Managerのインストールと設定)】
!!注意!!
LAN Manager Clientをインストールすると、Config.sysとAutoexec.batの内容が追記
(場合によっては書き換え)されるので、予めバックアップを取っておいてください。

 接続先共有用PCにインストールしているWindowsのバージョンにより、接続で使用する
 接続プロトコルが異なります。下図は、接続先OS・接続プロトコル・検証結果を
 まとめた表となります。
 listPNG
 できればNet BEUIを使用した方がスムーズで、メモリ使用量も抑えられます(50KB程度)。
 Net BEUIが使用できない場合は、TCP/IPを使用してください(メモリ使用量 150KB程度)。

 いちいち説明すると長くなるので、ポイントを絞って説明します。
  1. PC-98x1のDOSが起動したら、「Windows NT Server 4.0のディスク1」からコピーした
    「LAN Manager Client」が入っているディスク(DISK1)を挿入して、
    「SETUP.EXE」を起動してください。

  2. 下図が表示された場合、LAN Managerインストール後に環境変数PATHの最後が省かれる
    場合があります。インストールを中止してAUTOEXEC.BATのPATHを見直して
    ください。
    ※LAN Managerインストール後、AUTOEXEC.BATに「SET PATH A:\LANMAN.DOS\
     A:\NETPROG;%PATH%」が付加されます。
    LAN_03

  3. 「LAN Manager 拡張版」を選択してください。
    LAN_04

  4. PC-98x1に接続しているLANボードを選択してください。
    一覧に存在しない場合は、「その他のドライバー」から、LANボードの
    ドライバーディスクを入れて、ドライバーをインストールしてください。
    LAN_07

  5. 使用する接続プロトコルに「X」を付けてください。
    ※Net BEUIとTCP/IP両方使用可能(両方使用する場合はNet BEUIが優先)
    LAN_10

  6. コンピュータ名、接続ユーザー名(共有用PCで作成した接続用アカウント名)、
    ドメインを入力してください。ドメインはドメイン名またはワークグループ名と
    なります。
    メッセンジャサービスは「いいえ」を選択してください。
    LAN_15

  7. TCP/IPを選択した場合は、IPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイを
    入力してください。
    IPアドレスを入力した場合は「DHCP自動構成を有効にする」のチェックを外してください。
    LAND_13

  8. PC-98x1でWindowsを使用する場合は、「はい」を選択してください。LAN_16

  9. 下図が表示されたら、必ず「了解」を押してください。
    (「完了した!」と先走って、リセットボタンを押さないでください)
    「了解」を押した後、LANドライバーで設定の反映処理が実行されますので、
    完了するまでお待ちください(実行されない場合もあります)。
    LAN_19

  10. CONFIG.SYSとAUTOEXEC.BATの内容を確認してください。
    必要に応じて、CONFIG.SYSとAUTOEXEC.BATの内容を修正してください。

  11. PC-98x1を再起動してください。
【PC-98x1から共有フォルダに接続】
  1. DOS起動時に下図がされたら、接続用ユーザーとパスワードを入力してください。
    LANG01_1

  2. ワークグループの場合、下図のようなメッセージが表示されますが、
    無視してください。
    LANG01_2

  3. 以下のコマンドで、共有フォルダに接続してください。
    net use (使用していないドライブ名) (\\共有用PCのコンピュータ名\共有名)
    例)net use X: \\kyouyupc\union
    ※成功すると、「net use X: /DELETE」で切断しない限り、次回DOS起動時に
     自動で接続されます。

  4. 3.で指定したドライブに共有フォルダの中身が表示され、読み書き可能となります。
【その他】
  • PC-98x1のLAN Manager Clientの設定を変更したい場合は、
    「lanman.dos\setup.exe」を起動すると、接続プロトコルやIPアドレス等の
    変更が可能となります。
    LAND_07

  • OSがHomeの場合は、ローカルセキュリティポリシーはありません。
    レジストリエディタで設定を変更する必要があります。
    申し訳ございませんが、どのレジストリを変更するかは、ググってください。

  • 共有側PCがWindows Vista,7の場合で、PC-98x1から共有フォルダに
    接続できない場合は、ローカルセキュリティポリシーの以下の設定を変更して
    みてください。
     「ローカルポリシー→セキュリティオプション」の「ネットワークセキュリティ:
      LAN Manager認証レベル」を「LMとNTLMを送信する(ネゴシエートした場合
      NTLMv2セッションセキュリティを使う」に変更

  • 共有側PCがNT4.0の場合は、SP6aもインストールした方がいいと思います。
    (SP3までは、NTLMv1しか対応していないため)

  • セキュリティには十分ご注意ください(問題が発生しても責任を負いかねます)。